院長コラム

都立高校養護教諭との連携

中学校・高校の女子生徒の皆さんが、月経や性に関する悩みを真っ先に相談されるのは、通っている学校の養護教諭の先生方ではないでしょうか。
そのため、産婦人科医としては、思春期女性の産婦人科トラブルの解決には、各学校の養護教諭との連携がとても大切であると考えています。
私は現在、自分の母校であります都立青山高校の産婦人科校医をさせて頂いております。
今回、都立青山高校で養護教諭をされております剱持先生との連携についてご紹介致します。

月経に関する保健指導資料の作成
剱持先生は、都立高校学校保健研究会において、主に性教育研究に取り組まれており、生徒の皆さんの月経や性の悩みに対応するため、新たに保健指導資料を作成されました(2024年学校保健研究会会誌でご発表)。その際、産婦人科医の立場から、私も少し関わらせて頂きました。

資料1 月経の基本:正常な月経の周期・経血量・持続日数、月経困難症の症状などが記載されており、自身の月経状況と比較しやすい作りになっています。特に、経血量に関しては、1回の月経での正常量を下限20mlおよび上限140mlのピンク色水が入ったビーカーで表しており、高校ならではの工夫といえます。

資料2 月経困難症について:月経困難症の原因や症状、月経前症候群について簡便に説明されている資料です。女性のイラストの表情でも、月経困難症のニュアンスが伝わるようになっています。

資料3 保護者宛お知らせ:保健室を利用した生徒さんの気になる症状をチェックするだけで、保護者へわかりやすく情報をお伝えできるシートになっています。
また、月経トラブルの内容・程度によっては産婦人科診察をお勧めする文言もあり、“養護教諭から産婦人科医への情報提供書”としての役割も担っています。

スライド動画を用いた性教育授業・生徒さんとの個別指導
青山高校では、直接生徒の皆さんに性教育授業を行うことが時間的に困難であるため、音声入りスライド動画をクラスで流して頂き、授業後の質問に対する回答を後日文書でお伝えする、といった方法を取っています。その際、養護教諭として、私と学年主任・クラス担任の先生方との間に入って、スムーズな連携のために調整して頂いております。
また、産婦人科トラブルを抱える生徒さんについて、予め問診して頂き、個人情報の取扱いには十分注意をしながら、私もその情報を共有した上で診察・指導しております。
特に、私が保健室で生徒さんと直接お話する場合は、剱持先生に生徒さんの緊張をほぐして頂き、必要に応じて私の言葉を生徒さんにわかりやすくお伝え頂いております。

都立高校養護教諭の先生方にはネットワークがあり、養護教諭として必要と思われる産婦人科医会の情報に関して、剱持先生を通じて他校の養護教諭の先生方へお伝え頂いたケースもあります。
尚、私はこれまで、都立青山高校以外にも近隣の都立高校および区立中学校に対し、性教育授業や生涯健康授業を行ってきました。
今後は、近隣の中学校や高校の養護教諭の先生方とも連携を取ることで、思春期女性の産婦人科トラブルを早めに解決していきたい、と考えております。