院長コラム

更年期女性にお勧めのセルフケア

毎年10月18日は「世界メノポーズ(閉経)デー」に制定されており、わが国では10月18日から24日までの1週間を「メノポーズ週間」と定められています。
この期間に各地で、女性、特に更年期女性の健康増進に関する催し物が開かれているようです。
今回は、更年期女性にお勧めのセルフケアについて、日本女性医学学会の資料などを参考に情報共有致します。

まずは運動習慣
更年期に注意すべき病気として「更年期障害」「骨粗しょう症」「脂質異常症」があります。
運動にはウォーキング・ジョギング・水泳などの「有酸素運動」と、ダンベル体操・スクワット・腕立て伏せなどの「無酸素運動(筋力トレーニング)」がありますが、どちらもバランスよく行う事で、更年期障害の症状改善、骨粗しょう症や脂質異常症の予防に繋がります。
これまで運動習慣がない方は、お散歩や日常生活での活動を増やすことから始め、運動を習慣づけるようにしましょう。

たんぱく質・ビタミン・ミネラルを中心にバランスのとれた食生活
多くの食材から、様々な栄養を摂取するため、主食・主菜・副菜が揃った和食(塩分の摂り過ぎに注意)や地中海料理が推奨されています。
特に中高年になると筋力や骨量の低下が問題になるため、肉・魚介類・大豆・乳製品・きのこ類・緑黄色野菜・海藻類などから、タンパク質やビタミンB群、ビタミンD、カルシウムなどを積極的に摂取するようにしましょう。
また、青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸は脂質異常症の改善に繋がるため、こまめに摂取すると同時に、動物性脂肪や糖質などは脂質異常症の悪化に繋がるため、できるだけ控える事をお勧めします。

良質なリラクゼーションと睡眠
更年期は女性ホルモンの低下だけでなく、環境や性格の影響から、メンタル的に辛くなってしまう事も少なくありません。
そのためには、適度な運動や入浴、アロマなどでリフレッシュすることや、趣味に没頭する時間を確保することもいいでしょう。
同時に、規則的な生活を送ることで、良質な睡眠を適切な時間確保することも大切です。ただし、タバコ、寝酒、スイーツの摂り過ぎは心身に悪影響を及ぼしますので、十分に注意して下さい。

更年期は、これまで頑張って生きてきたご自身を慈しみ、これからの人生を更に充実させるべくメンテナンスに心掛ける時期です。
日頃の生活習慣をみつめて、良くない習慣は改善し、より望ましい習慣を身に付ける事で、充実した更年期をお過ごし頂けると思います。
もし、それでも心身の症状が改善しなければ、お気軽に婦人科外来来をお訪ね下さい。