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院長コラム

当院における閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)の治療

GSMとは、エストロゲン(女性ホルモン)の低下に伴う外陰腟の萎縮・乾燥感・灼熱感・性交痛などの不快症状や、尿失禁などの下部尿路症状をいいます。
今回は、「産婦人科navi  vol.2  2020年7月」(富士製薬工業株式会社)などを参考に、当院におけるGSMの治療についてお伝えします。

 

閉経後3年で約半数の女性が腟乾燥症状を自覚

GSMの中でも腟乾燥症状に悩まれている方は多いと思われます。
外陰部の皮膚や腟の粘膜にはエストロゲンの受け皿が多数存在しています。閉経前、卵巣からエストロゲンが十分に分泌している時には、多くのエストロゲンが受け皿に結合することにより、外陰腟は潤い、ふくよかになります。
ところが、閉経後になるとエストロゲンの分泌量が低下し、受け皿に結合するする割合も減るため、外陰腟の皮膚や粘膜は乾燥し、薄くなってしまいます。
海外の研究では、腟乾燥症状を自覚する割合は、閉経前には約3%でしたが、閉経後3年では50%近くにまで上昇したそうです。
GSMをいかに治療するかが、生活の質の向上のためには非常に大切です。

 

GSMの治療

・ホルモン補充療法(HRT)

エストロゲンが低下することが主因であるため、エストロゲンを補うHRTは第一選択の治療法になります。
更年期障害や閉経後骨粗鬆症の治療としては、通常ホルモン剤の全身投与を行いますが、GSMのみの治療の場合は、エストロゲン製剤の腟錠を用いることが少なくありません。
ただし、原則として腟錠の腟内挿入は、保険診療上医師が行わなければならず、また、自己挿入される場合でも、腟の入り口が狭いと挿入が困難な場合もあります。
当院では、GSMに加えて更年期障害を認める50~60代の方には全身的なHRT、GSM単独の60代以上の方には腟錠を用いることが主流となっています。

・外陰腟レーザー治療(モナリザタッチ)

HRTを行ってもGSMが改善しない場合や、月経が順調でエストロゲンの分泌低下がみられなくても腟乾燥が出現する方もいらっしゃいます。
また、乳がんや心筋梗塞・脳梗塞などの既往のある方はHRTが禁忌であるため、他の治療法が検討しないといけません。
このような方には、外陰腟レーザー治療をお勧めしています。自費(当院では税込みで1回55,000円)にはなりますが、施術により皮下や粘膜下のコラーゲンが増え、潤いやふくよかさが増すことが期待できます。

 

GSMは最近世界で注目されている疾患です。
当院ではHRTと外陰腟レーザー治療の二本柱で、GSMでお悩みの女性のお役に立てればと考えています。
閉経後、外陰腟の不快症状がありましたら、是非ご相談下さい。

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