院長コラム

年末年始インフルエンザにご注意を

令和6年の年末、全国的にインフルエンザが大流行しています。
妊婦さんがインフルエンザに感染すると重症化することが知られており、自然流産・早産・低出生体重児なども増加するといわれています。
今回は、「産婦人科診療ガイドライン 産科編2023」や東京都のパンフレットなどを参考に、妊婦さんのインフルエンザ対策について情報共有したいと思います。

インフルエンザの予防は?
前提として、日頃からバランスの取れた食事や良質な睡眠・休息に心掛けることが大切です。また、こまめに手洗い・うがいすることも予防効果があります。
もし感染しても、重症化しないようにするためにはインフルエンザワクチン接種が有効です。防腐剤(チメロサール)を含む製剤と含まない製剤がありますが、どちらでも問題ありません。
ちなみに、令和6年度の当院でのインフルエンザワクチン接種は終了しましたので、今シーズン未接種の方は内科クリニックなどにご相談下さい。

インフルエンザに感染した場合の治療は?
発熱、咳、鼻汁、関節痛、頭痛などがみられましたら、早めに内科を受診され、診断して頂きましょう。
もしインフルエンザに感染してしまった場合、症状出現後48時間以内にタミフル(内服薬)、リレンザ(吸入薬)、イナビル(吸入薬)のいずれかを第一選択として使用されることをお勧めします。
ラピアクタ(点滴薬)、ゾフルーザ(内服薬)は添付文書に妊娠中投与可能と記載されていますが、現在のところ妊婦さんに対する有効性や安全性に関する十分なデータがないため、必要に応じて第二選択として考えるのがいいと思われます。

ご家族の方などインフルエンザ患者と濃厚接触された場合は、タミフルやリレンザを予防的に使用することも可能です(自費)。
妊娠中、インフルエンザに感染した方はもちろん、感染していない方もなるべく外出を控え、もし外出される場合は正しくマスクをつけるようにしましょう。
尚、当院ではしばらくの間、ご来院全員の方にマスク着用をお願いしている旨、ご了承下さい。