院長コラム

妊婦さんの望ましい食生活

妊娠中の食生活が、お母さんと赤ちゃんの健康に大きな影響を及ぼすことは知られています。
ただし、適切な摂取カロリーと体重増を心がけている方も、食事の質にまで注目している方は少ないかも知れません。
今回は、「産科と婦人科 2025年10月号」(診断と治療社)を参考に、妊婦さんにとって望ましい食生活に関して情報共有したいと思います。

“向”炎症食と“抗”炎症食
食事には、体内の炎症を促進する「向炎症食」と、炎症を抑制する「抗炎症食」があるとのことです。
向炎症食には、加工肉・人工型トランス脂肪酸・植物油・肉製品・バター・マーガリン・糖分が多い菓子類など、私の大好物が並んでいます。
これらの食事が多い妊婦さんは、妊娠34週未満の早産・妊娠高血圧症候群・児の低出生体重・出生時の3歳児での精神発達の遅れなど、様々なリスクが高まるようです。
一方、抗炎症食には、緑黄色野菜・ベリー類などの果物・ナッツ類・魚・緑茶・オリーブオイルなど、ヘルシーな食材が挙げられます。
これらの食事をされている妊婦さんは、上記のリスクは下がるとのことです。

発酵食品・食物繊維もお勧め
妊娠前から妊娠初期に納豆・味噌汁・ヨーグルトを頻回に摂取していた妊婦さんは、あまり摂取していなかった妊婦さんに比べて、妊娠34週未満早産のリスクが低かったようです。
妊娠後半期にチーズ・味噌汁・ヨーグルトの摂取量が多かった妊婦さんは、少なかった妊婦さんに比べて、出生児の3歳における神経発達の遅れのリスクが少なかったと、のことです。
また、食物繊維を多く含む穀物・豆類・イモ類・野菜・果物・きのこ類・海藻類などから、食物繊維目標量(18g/日)を摂取している妊婦さんは、摂取が少ない妊婦さんに比べて、早産・妊娠高血圧症候群・出生児3歳児の神経発達の遅れなどのリスクが低かったそうです。

毎日朝食を食べる事も大切
朝食を定期的に食べている方は、野菜や果物を多く摂取しており、食事の栄養バランスがいいことが知られています。
反対に、朝食をとらない事は、肥満・メタボリックシンドローム・2型糖尿病・脳血管疾患・心筋梗塞などの生活習慣病のリスクが上昇するとのことです
妊婦さんにとっては、毎朝朝食を食べる事で、妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・出生児3歳時の神経発達遅れ、といったリスクを下げる事ができます。

産科的合併症の軽減や、生まれた赤ちゃんの健全な発育のため、向炎症食を避け、抗炎症食を積極的に摂取することが望まれます。
また、発酵食品・食物繊維も重要で、毎日朝食を定期的に食べるようにしましょう。
妊婦さんはもちろん、妊娠前から「健康的は食生活」を心がける事は母児にとって非常に大切です。