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院長コラム

妊娠を目指す女性に必要な微量栄養素

一般的に栄養素というと蛋白質・脂肪・炭水化物が思い浮かぶかも知れませんが、これらは「多量栄養素」といいます。
一方、ビタミン・ミネラルは微量ながらも心身の健康にとって必要な栄養素であり、「微量栄養素」と呼ばれています。
現在、食生活の変化に伴う微量栄養素不足が世界的に問題となっており、特に妊娠女性では需要が増大するため、さらに不足に陥りやすいといわれています。
今回、「産科と婦人科2020年8月号」(診断と治療社)を参考に、妊娠前から摂取が勧められる3つの微量栄養素について説明します。

 

  • ビタミンD

ビタミンD は骨代謝に関与していることは知られていますが、その他、抗炎症作用、免疫、心血管系疾患の予防など、様々な作用が認められています。
妊娠においても不可欠なビタミンであり、ビタモンD不足は流早産、妊娠高血圧腎症、妊娠糖尿病、産後うつ、胎児発育不全、児の喘息や免疫能低下、精神運動発達の遅れなどとの関連が指摘されています。
ビタミンDの1日の摂取目安量は成人女性で8.5μgであり、魚介類、卵類、きのこ類に多く含まれています。ちなみに、塩鮭1切れ(100g)で23μg、サンマ1尾(150g)で20μg、白きくらげ5個(5g)で48.5μg含まれているそうです。
また、食事だけでなく、日光を浴びることにより皮膚でも作ることができますので、積極的に外出することも大切です。

 

  • 葉酸

妊娠前から葉酸を十分摂取することによって、赤ちゃんの二分脊椎など神経管閉鎖障害のリスクを低下させることが可能です。海外では、穀類食品への葉酸添加の義務化により、神経管閉鎖障害が減少しています。
一方、わが国では、妊娠の可能性がある女性に対し、食事からの摂取(推奨量:240μg)に加えて、サプリメント類から1日400μgの葉酸を摂取するよう推奨されているにもかかわらず、二分脊椎が増加傾向にあります。
まずは、ホウレンソウ(60g126μg)、春菊(60g114μg)、納豆(1パック60
μg)、イチゴ(5粒75g60μg)など、葉酸が豊富な食品からしっかり摂取しましょう。

 

母体の貧血は早産、低出生体重児、胎児発育不全、母体の免疫力低下、児の精神運動発達異常や認知機能低下と関連するとの報告があります。
そもそも、若年女性は月経により鉄を喪失しているため、妊娠中の需要増大に備えて、あらかじめ十分に鉄を摂取していないといけません。
しかし、20歳代女性の鉄の推定平均必要量は1日あたり約8.7mgですが、実際には6.5mgに留まっているようです。
若年女性は、肉・魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品や卵・乳製品に含まれる「非ヘム鉄」をバランスよく摂取しましょう。

 

しっかりと毎日の食事で微量栄養素を摂取することが基本ですが、実際には食事だけで必要量以上をまかなうことは難しいかもしれません。
そこで、遅くとも妊娠を希望した段階で、葉酸をはじめとした微量栄養素を含むサプリメントを積極的に服用することが望まれます。
当院では、「エレビット」を推奨しており、受付で販売もしております。
妊娠を目指す全ての女性に、早い段階からの服用をお勧めします。

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