院長コラム
“切れ目のない”サポートを目指して
当院は「リスクが少ない妊婦さんの産科管理」「思春期から老年期にかけての婦人科トラブルの診療」「子宮頚がんワクチン接種や子宮がん検診などの予防医療」を“3本柱”として日常診療を行ってきました。
また、産婦人科領域の情報発信として、中学校・高校の生徒の皆さんへの「性教育授業」、事業所で勤務される方を対象とした「女性健康セミナー」、そしてホームページ上での「院長コラム」にも取り組んで参りました。
1000本目となる今回のコラムでは、当院が今後目指していく“医院としてのあり方”について、日頃考えている事をお伝えしたいと思います。
「女性のライフステージ」を切れ目なくサポート
産婦人科は思春期・性成熟期・更年期・老年期といったすべての女性のライフステージに関係しています。
「思春期」は、女性ホルモンが急増し、初経がみられる時期であり、女性の人生の基本となります。
「性成熟期」は、月経に関するトラブルが多くなる時期であり、仕事や家庭などでのストレスも増えます。また、妊娠・出産を経験する方の場合は、産科的トラブルにも対応する必要があります。
「更年期」は、女性ホルモンが急速に低下する時期であり、心身の変化が著しく、その後の人生の質にも大きな影響を与えます。
「老年期」は、女性ホルモンが低値である事に加え、加齢変化も相まって、婦人科的トラブルに悩まされることが多い時期です。
これらのライスステージは連続しており、それぞれのステージの過ごし方がその後の人生に大きな影響を及ぼします。
そのため、どの年代の方の産婦人科トラブルに対しても、短期的な治療はもちろん、中長期的な予防の観点もとても大切です。
当院は、これからも女性のライフステージを切れ目なくサポートできるよう、心掛けて参ります。
「他職種や行政」と切れ目なく連携
当院は小さな診療所であるため、患者さんや妊婦さんの状況によっては、高次施設に紹介させて頂く事も少なくありません。
また、産婦人科的対応だけでは困難な場合には、他科の医療施設との連携は不可欠です。
特に、産前産後の方の場合、地域の保健師さんや小児科医・精神科医へスムーズに繋いでいくことはとても重要です。
更に予防医療や性教育に関しては、行政や学校との密な連携がなければ成り立ちません。
当院は、他職種や行政と双方向に情報共有や意見交換をすることで、切れ目のない連携を目指して参ります。
「居住場所の移動」にも切れ目なく対応
当院は世田谷区の住宅地にあり、高校や大学が近隣にあります。そのため、都外へ帰省分娩される妊婦さん、反対に他の地域から当院近隣に転居される妊産婦さん、進学や就職に伴い転入・転出される10~20代の女性など、居住場所を移動される方が少なくありません。
妊婦さんはもちろん、婦人科疾患の治療中・経過観察中の方も、転居先で健診・診療を継続しなければいけません。
当院では、当院通院中の方が移動されるときには、わかりやすい情報提供書をお渡しし、転居先の施設への受診がスムーズにいくよう、心掛けています。
同時に、当院の近隣に転居された方に対しては、可能であれば当院での受け入れ、あるいは適切な医療施設への紹介など、居住場所を移動することで診療の切れ目が生じないようにしたいと考えています。
当院は、近隣の高次施設や他科の医療施設との連携、世田谷区行政との連携に力を入れています。
また、私自身、女性ヘルスケア専門医として、全てのライフステージの心身トラブルに対し、良質な医療を提供するよう心掛けています。
これからも、女性の心身の健康を支える産婦人科として「切れ目のないサポート」に尽力して参ります。