院長コラム
令和7年 年頭にあたり
明けましておめでとうございます。
皆様、新年をどのようにお過ごしでしょうか。
今回は令和7年の年頭に当たり、当院の今年の方針についてお伝え致します。
妊娠・分娩管理について
既にご案内の通り、令和7年7月末日をもちまして、当院での分娩管理を終了致します。
8月以降は妊婦健診、産後ケア、母乳外来を中心に対応致します。
当院が連携しております「東京医療センター」「国立成育医療研究センター」「日赤医療センター」「日産玉川病院」「東京マザーズクリニック」などで分娩予定の方で、当院での妊婦健診をご希望される方に対して、現在と同様に妊娠30-32週頃まで拝察致します。
また、お住まいが当院の近隣で、里帰り分娩を予定されている方におかれましては、妊娠12~26週までの妊婦健診を検討しています。正式に方針が決まり次第ご案内致します。
各種手術・施術について
人工妊娠中絶処置については、令和7年8月以降は妊娠12週未満までとし、妊娠12週以降の中期中絶ご希望の方は、他施設に紹介させて頂く予定です。
妊娠9週0日までの妊娠中絶希望の方の場合、メフィーゴパック(妊娠中絶薬)の使用が可能ですが、中絶手術ご希望の方、妊娠9週1日以降の方には、局所麻酔または全身麻酔によるMVA(手動真空吸引法)あるいはEVA(電動真空吸引法)を行います。ちなみに、稽留流産の場合はメフィーゴパックを使用することができないため、流産手術は全てMVAまたはEVAとなります。
外陰部の尖圭コンジローマ切除術・バルトリン腺膿瘍開窓術は、これまで通りレーザーを併用して行います。ただし、膣内、肛門部や広範囲に認められる尖圭コンジローマに関しては、高次施設へ紹介させて頂く事があります。
恥ね尚、デリケートゾーンの不快感に対するレーザー治療(モナリザタッチ)は、これまで以上に積極的に取り組んで参ります。
予防医療について
子宮頚がんだけでなく、肛門がん・中咽頭がんや尖圭コンジローマの予防として、“一次予防”としてHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種が非常に有用です。
HPVワクチン定期接種の該当者(世田谷区民で小学校6年生~高校1年生相当の女子)、キャッチアップ世代(令和7年3月までに1回目が接種済みの女性)、区の無料券使用可能な男子(世田谷区民の小学校6年生~高校1年生相当の男子)を中心に行って参ります。
更に、10月以降は妊婦さんを中心としたインフルエンザワクチン接種、令和7年4月以降は帯状疱疹ウイルスワクチン(不活化ワクチン:世田谷区民の女性対象)の接種も行う予定です。
また、世田谷区のがん検診(子宮頚部・子宮体部の細胞診、乳房:当院では触診・超音波検査)、特定健診、5年毎の骨密度やブライダルチェック(各種血液検査・超音波検査など)にも、これまで以上に取り組んで参ります。
本年7月までは、これまでと同様にリスクが少ない妊婦さんの分娩管理を行って参ります。
8月以降は、月経トラブル、更年期障害、外陰・膣のトラブルといった女性医学分野の診療をより充実させてまいります。
スタッフ一同、令和7年も地域の産婦人科医療の充実に尽力して参りますので、宜しくお願い申し上げます。