院長コラム

“中高年”の骨量は“中高生”の過ごし方で決まる?

骨は破骨細胞で壊され(吸収され)、骨芽細胞で作られて(形成されて)います。骨吸収と骨形成のバランスよければの骨密度が高くなり、骨が丈夫になります。
一方、骨吸収が骨形成を上回ると骨密度は低下し、骨折しやすくなります。女性ホルモンであるエストロゲンは、骨吸収を抑える作用があるため、性成熟期では骨量は保たれるのですが、閉経前後にエストロゲンが減少すると、骨吸収がアップし、骨密度が低下する傾向にあります。
今回は、エストロゲンと骨密度の関係について、情報共有致します。

骨密度は20歳前後ですでに最大に!
思春期にエストロゲンの分泌が上昇し、それに伴い骨密度が高くなります。そして、20歳頃に骨密度は最大値となり、その後加齢とともに横ばい、あるいはゆっくり低下していきます。
そして、45歳前後になると更年期となり、エストロゲンの分泌が急激に減少します。その結果、骨吸収が盛んになり骨密度が減少します。
もし、更年期で何も対策を取らなければ、骨粗しょう症のリスクが高まり、いずれ骨折から寝たきりになってしまう可能性があります。

思春期の過ごし方が更年期の健康を左右する
更年期以降、骨折・寝たきりにならないようにするためには、20歳までに骨密度をいかに高くできるか、言い換えれば、どれだけ“骨の貯金”を高くできるか、がポイントになります。
しかし、思春期に無理なダイエットをして様々な栄養素をとらず、低体重になって骨への適切な負荷がかからない状況が続けば、骨の貯金が増える事はありません。
反対に、思春期からバランスのとれた食事、適切な運動習慣を身につければ、20歳頃の骨密度が高くなり、将来骨折・寝たきりのリスクを減らすことができます。
まさに、“中高生”の頃の過ごし方が“中高年”の健康を左右する、と言っても過言ではないでしょう。

更年期になったら定期的な骨密度測定を
残念ながら、骨密度低下に伴う自覚症状はないため、知らず知らずのうちに骨粗しょう症となってしまう可能性があります。ご自身の現状を把握するため、更年期に入りましたら、定期的に骨密度測定をされることをお勧めします。
ちなみに、世田谷区では30歳から5年おきに70歳まで、骨粗しょう症検診を400円で受けることができます。尚、低下した骨密度は、エストロゲンを投与することで、上昇することも期待できます。

今、思春期の方は、30年後の自分のために、バランスのとれた食生活や適切な運動習慣を心掛けましょう。
閉経前の方は、近い将来のために、生活習慣を見直すと同時に、定期的に骨粗しょう症検診を受けるようにしましょう。
そして、閉経後の方は、更年期障害だけでなく骨密度低下がみられた場合、禁忌でなければ積極的にホルモン補充療法(HRT)をご検討下さい。