院長コラム

中高年のメタボ・フレイル対策

この2年間、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出を控えることが多くなり、日々の運動量が以前と比べて減少した方も多いのではないでしょうか。
特に中高年の場合、運動量の減少はメタボリックシンドロームやフレイル(心身機能の低下により要介護に陥りやすい状態)の発症に影響を及ぼします。
今回は、
日本医師会発行の冊子などを参考に、中高年のメタボ・フレイル対策について情報共有したいと思います。

 

運動量の低下の悪影響

一般的に、100kcalのエネルギーを消費するには30分前後の運動が必要といわれていますが、外出の自粛やリモートワークの広がりによって、一日450~600 kcalも消費エネルギーが減っているそうです。
これが「コロナ太り」の一因であり、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病、そしてメタボリックシンドロームへと繋がります。

 

中高年期のメタボ改善には“スロージョギング”

スロージョギングとは「歩く速さでゆっくり走る」ことを言います。ある報告では、12週間スロージョギングを行った結果、皮下脂肪、筋力低下の原因となる筋肉の脂肪も減少したとのことです。
尚、「女性医学ガイドブック 更年期医療編2019年度版」によると、運動頻度は1週間に3~4回、一日当たり30~60分程度、1週間の合計が140~160分くらいが望ましいそうです。

 

フレイル対策は運動・食事・口のケアが基本

フレイル対策としては、体力や筋力をアップさせることが重要で、運動・食事・口のケアが3本柱です。
手軽にできる運動として、歩数の増加(1日当たり2,500歩プラスする)やスクワットなどの筋力トレーニングが勧められています。
食事としては、1日3食、主食・主菜・副菜のバランスがとれた和食がいいようです。
また、歯磨きや舌の掃除など口のケアも重要で、具体的な方法はかかりつけの歯科の先生にお尋ねするのがいいでしょう。

 

私は以前、普通のジョギングをしていましたが、腰を痛めたことをきっかけにスロージョギングに切り替えました。
その結果、体重は減少し、尿酸値、LDL(悪玉)コレステロール値も低下し、体調は良好となりました。
マラソン大会出場を目指すのでなければ、運動もやり過ぎると体調を崩してしまうため、無理なく継続できるスロージョギングは大変お勧めです。