院長コラム
メンタルの健康に有効な栄養素
ストレスが多く、忙しい現代社会、食生活が乱れ、メンタルが不調になりやすい方も多いと思います。
メンタルの不調には脳が関係しており、脳の健康を保つには適切に栄養素を摂取する必要があります。
今回は、Meiji Seukaファルマ(株)作成の資料を参考に、メンタルの健康に有効な栄養素について情報共有したいと思います。
EPA(エイコサペンタエン酸)
EPAは多価不飽和脂肪酸の一種で、過剰なストレスによる脳の炎症を抑制し、脳の神経栄養因子の作用を向上させて、脳の健康を保つ働きがあります。
魚の油に多く含まれており、うつ病の方には1日1,000~2,000㎎の摂取が推奨されているようです。
ちなみに、サバ1切れ(100g):1,800㎎、さんま1尾(100g):1,300㎎、本マグロのトロ1食分(80g):1,120㎎のEPAが含まれているそうです。
ビタミンD
ビタミンDは“幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニンという脳内神経伝達物質の産生を促します。
1日10μgの摂取が推奨されており、マイワシ1尾、鮭1/3切れ、しらす干し15g(1.5食分)、干しシイタケ50g(10食分)に含まれているそうです。
葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12
葉酸を含むビタミンB群は、セロトニンだけでなく、ノルアドレナリン・ドーパミンといった元気が出る脳内神経伝達物質の合成に関係しています。
葉酸は「ほうれん草、ブロッコリー、イチゴ、枝豆、鶏レバー」など、ビタミンB6は「カツオ、鮭、鶏むね肉、納豆、ニンニク」など、ビタミンB12は「アサリ・シジミ・サンマ・プロセスチーズ」などに多く含まれているようです。
たんぱく質
健康な身体作りにはたんぱく質は欠かせませんが、メンタルの健康にとっても非常に重要な栄養素です。
たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されていますが、食品によって含まれているアミノ酸の割合が異なり、体内で合成できない必須アミノ酸を中心に、様々な食品から摂取しないといけません。
セロトニンの材料であるトリプトファンは必須アミノ酸であり、鶏むね肉などの肉類、鮭など魚介類、卵、納豆、牛乳などに多く含まれています。
心身の健康は「食事」「運動」「睡眠」といった生活習慣が影響しています。
中でも食事は、ご自身で比較的コントロールしやすいのではないでしょうか。
メンタル不調の際には医療機関の受診と同時に、上記をご参考にしながら、日頃の食生活を見直すことをお勧めします