院長コラム

「国立成育医療研究センター」との病診連携

先日、国立成育医療研究センター(以下成育医療センター)との病診連携の会に出席してきました。

当院は、近隣の病院との繋がりに力を入れております。学術講演会や懇親会などを通じて直接先生方との交流を持ち、顔の見える病診連携を心がけております。

今回は、成育医療センターとの病診連携の概略についてお伝え致します。

 

【成育医療センターでの分娩をお考えの妊婦さん】

成育医療センターを受診するには紹介状が必要になります。
成育医療センターでの分娩希望者をはじめ、双子の妊娠、40歳以上の初産の妊婦さんなど、まずは当院を受診して頂くことをお勧めします。
流産の可能性も考慮し、通常は胎児心拍が確認できる妊娠6~7週頃に紹介状をお渡し致します。

 

【合併症妊娠・切迫早産など】

妊娠経過中に妊娠高血圧症候群などが認められ、高次施設での管理が望ましいと判断した場合は、その時点で紹介させて頂きます。

また、当院で分娩を予定している妊婦さんで、子宮収縮が頻回になったり、子宮頸管長が短縮するなど、切迫早産の症状が進んできた場合も紹介させて頂いています。尚、妊娠36週まで順調に経過した場合は、再び当院で分娩管理することもあります。

 

【胎児異常】

妊娠中の超音波検査で、胎児の発育異常や奇形が疑われた場合、成育医療センターの「FGR外来」や「胎児診療科外来」に紹介致します。

 

【分娩時異常】

常位胎盤早期剥離や弛緩出血など、母児に重大な影響を与えるような緊急事態の際、救急車による母体搬送の可能性があります。

 

【新生児異常】

生まれた赤ちゃんの全身状態に異常が認められた場合は、成育医療センター新生児科への救急車による新生児搬送の可能性があります。

その他、聴力検査での異常、多合指など、緊急性はないものの、専門医の診察が必要な場合は、適切な診療科へ紹介させて頂きます。

 

【不育症外来】

流産を2-3回以上繰り返すなど、不育症の可能性がある場合は「不育症外来」へ紹介致します。

尚、成育医療センターNICUに赤ちゃんが入院しているお母さんの乳房トラブルに対して、当院では乳房ケアを行っております。
是非、お気軽にご相談下さい。