院長コラム
疲れが抜けない方への対応策
4月の後半にもなると、日中は汗ばむ日も増えてきて、日々疲れやすくなってきている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当院でも、お産後の方や更年期女性を中心に、疲労感を主訴に外来を受診される方が最近増えてきました。
今回は、この時期疲れが抜けない方への対応策について、当院の取り組みも交えてお伝え致します。
漢方薬は心強い味方
疲労感を直接改善する西洋の薬剤はほとんどありませんが、漢方薬で疲労感が軽快する方は少なくありません。
東洋医学の考え方によると、生命活動のエネルギー“気”が低下している状態を「気虚」といい、気力低下・疲労感・倦怠感・食欲不振といった症状をきたすそうです。
気虚の方には、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)が有効であり、当院でも発汗が多い方、暑さに弱い方などに処方することが多い漢方薬です。
その他、疲労感に加えて、冷えや貧血を認める方には十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)や人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)、気分の落ち込みがある方には加味帰脾湯(カミキヒトウ)を使用しています。
ビタミン・カクテル点滴(近日開始予定)もお勧め
漢方薬以外では、更年期障害としての疲労感に対して「プラセンタ注射(メルスモン)」の皮下注射も有効です。当院でも多くの中高年女性の方々に使用していますが、最も望ましい頻度は週2~3回といわれており、お忙しくて頻回の通院が困難な方も少なくありません。
そこで当院では、疲労感・倦怠感が強い方を対象に、「ビタミン・カクテル点滴」を近日開始することと致しました。メルスモン注と異なり、1~2週間は効果が持続すると思われます。
詳細は後日お伝え致しますが、ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウムなどのビタミン・ミネラルを含む点滴療法(1回約20∼30分)であり、当院スタッフが点滴したところ、みな疲労感が低下し、元気になってきました。
他の治療と組み合わせることもできますので、疲れがたまりやすい方には非常にお勧めです。
そもそも、疲労を貯め込まないためには、日頃から「バランスのとれた食生活」「適切な運動習慣」「良質な睡眠」を心がける事が大切です。
それでも疲労感が強い方の場合、内科的あるいは精神的疾患がみられる事もありますので、まずは内科クリニックやメンタルクリニックでご相談されることをお勧めします。
その上で、明らかな合併症がない方は、漢方療法やビタミン・ミネラルの点滴治療をご検討してみてはいかがでしょうか。