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院長コラム

片頭痛持ちの方に対する低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)の処方

月経困難症の治療薬として、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は非常に有用ですが、血栓症などの副作用に注意する必要があります。
また、片頭痛は、それ自体が虚血性脳卒中のリスク因子であり、片頭痛持ちの方の中には、LEPを服用できない方もいらっしゃいます。
今回は、「OC・LEPガイドライン2020年度版」を参考に、片頭痛持ちの方に対するLEPの処方について説明します。

 

女性と片頭痛

片頭痛とは“ズキンズキン”と痛むタイプの頭痛で、男性よりも女性に多く、「前兆のあるタイプ」と「前兆のないタイプ」があります。
日本人女性の片頭痛罹患率は、LEPを処方することが多い20~40歳に多く、30代・40代女性の5人に1人は片頭痛持ちといわれています。

 

「前兆のある場合」はLEP投与禁忌

主な前兆には、「閃輝暗点」といって視野の中にチカチカと光(稲妻様)が出現する視覚症状が知られています。
閃輝暗点は脳の血管の一時的な収縮が原因で発生し、“前兆のある片頭痛”自体が虚血性心疾患および虚血性脳卒中のリスク因子となっています。
また、前兆のある片頭痛のある方がLEPを服用すると、虚血性脳卒中のリスクが約2倍上昇します。
以上のことから、ガイドラインでは、「前兆のある場合はLEP投与禁忌」となっています。

 

「前兆のない場合」はLEP慎重投与

ある研究では、前兆のない片頭痛の集団と片頭痛自体がない集団との間で、脳卒中の発症リスクには差がなかった、という結果でした。
ただし、前兆によらず、片頭痛自体が脳卒中のリスクを上昇させるとの研究報告もあることから、ガイドラインでは、「前兆のない場合はLEP慎重投与」とされています。

 

当院では、一度でも前兆のある片頭痛を経験したことがある方に対しては、LEPを避けて、ディナゲストなどの黄体ホルモン製剤を第一選択で処方しています。
また、前兆のない片頭痛の方でも、他の慎重投与の項目(40歳以上、喫煙など)を有している場合は、LEPを使用しないことがあります。
LEP服用前には認めなかった片頭痛が、服用後に出現することもありますので、もし気になることがありましたら是非ご相談下さい。

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