院長コラム

令和6年 当院での取り組みを振り返って

令和6年は能登の大地震に始まり、石破茂内閣総理大臣の誕生、アメリカ大統領選挙でのトランプ氏勝利など、国内外で多くの出来事が見られた一年でした。
産婦人科関連では、我が国の令和5年の出生数は72.7万人、合計特殊出生率は過去最低の1.20でしたが、令和6年ではさらに減少して出生数70万人を割り込むと考えられています。
そのような令和6年最後の日にあたり、今回は今年当院が特に力を入れてきた取り組みについてお話致します。

RSウイルスワクチンの導入
RSウイルスに感染することで起きる呼吸器疾患をRSウイルス感染症といい、新生児や乳幼児が感染してしまうと重症化する可能性があります。
そのため、妊娠24週から36週の妊婦さんにRSウイルスワクチンを接種し、母体で作られたRSワクチンウイルス抗体を胎児へ移行させることが推奨されています。
当院では、本年11月に導入してから間がないため、現在のところあまり多くの方には接種していませんが、来年以降、更に情報を提供して、接種を勧めて参ります。

メフィーゴパック(人工妊娠中絶薬)の推進
妊娠9週0日までの妊娠中絶希望の方には、より子宮に負担が少ない妊娠中絶薬「メフィーゴパック」を使用することがあります。
当院では令和5年10月に導入して以来、合計23名(昨年:2名、今年:21名)の方に用いており、9割以上の方がメフィーゴパックのみで妊娠中絶処置が終了しています。
妊娠初期の中絶希望の方に対して、今後はメフィーゴパックが全国的に主流になると思われますので、当院として来年以降も力を入れて参ります。

ココラクト(腟ケアの乳酸菌サプリ)の推奨
デリケートゾーンの不快感の原因の一つに、腟内環境の乱れが指摘されており、腟内善玉菌(乳酸菌)を増やすことが症状改善に有用といわれています。
ココラクトは乳酸菌のサプリメントであり、腸内環境改善だけでなく、肛門から腟内に2種類の乳酸菌が移動し、腟内環境を整えることが報告されています。
腟・外陰部トラブルにお悩みの更年期~シニア世代の女性を中心に、今後もココラクトを推奨して参ります。

その他、腟・外陰部トラブルに対するレーザー治療「モナリザタッチ」を施術された方も、今年は昨年に比べて大幅に増加しました。
また、MVA(手動真空吸引法)による子宮内膜ポリープ切除をご希望される方も増えており、過多月経・過長月経の改善に繋がっています。
令和6年、当院を受診して頂いた皆様、院長コラムをお読み頂いた皆様、誠に有難うございました。
時節柄ご自愛の上、良いお年をお迎え下さい。