院長コラム

世田谷区「産前産後のこころとからだの講演会」でオンライン講演を行ってきました

本日令和6年10月3日、世田谷区の保健福祉センター健康づくり課主催の「産前産後のこころとからだの講演会」で、私と看護師長でオンライン講演を行ってきました。ご参加の方の多くは、世田谷区在住の妊産婦さんやそのご家族で、最終的に100名近くの方々にご視聴頂いたようです。

第一部は私から、「女性ホルモンの変動と心身の健康トラブル」と題して、女性ホルモンの減少に伴う産後・月経前・産後の心身トラブルについてお話をしました。
産後は、胎盤娩出とともに女性ホルモンは急激に減少し、育児ストレスや乳房トラブル、貧血や疲労・睡眠不足などのため、様々な心身トラブルに見舞われる時期です。
決してお母さん一人、あるいはご夫婦だけで頑張るのでなく、産婦人科や小児科などの医療施設、保険所などの行政機関に気軽に相談されることの重要性についてお話しました。

月経前は、女性ホルモンの減少に伴い、心身のトラブル、月経前症候群(PMS)に悩まれる方が多くなる時期です。むくみやビタミン・ミネラルの低下もPMSを悪化させる要因であり、低用量ピル・漢方薬・抗うつ薬(SSRI)・PMS改善サプリメント(トコエル)などの有用性にについてお話致しました。

更年期は、女性ホルモンの低下、お子さんの自立やご家族のストレス、ご本人の性格など、様々な要因が原因で更年期障害をきたし、エストロゲン低下により骨密度が低下することもお話しました。
その予防・治療のため、食生活の改善・運動習慣の見直し、日光浴の重要性について説明致しました。

第二部は、当院の看護師長から「40歳からの授乳について」との演題で、授乳時の身体の変化と生活の仕方、育児不安や乳房トラブル時の対応について、具体例を交えながら説明しました。

特に、育児不安や乳房トラブルを抱えている方々に対して「一人で背負い込まず、頑張り過ぎない」「他人の話に惑わされず、他人と自分を比較しない」「医療施設や保健所など、気軽に頼ることが大切」とのメッセージをお伝えしました。

今回、ご縁があって世田谷区健康づくり課の保健師さんから講演のお話を頂きました。このような機会を頂けたことに感謝しつつ、ご尽力頂いた担当の保健師の皆さん、お忙しい中ご視聴頂いた方々に、心より御礼申し上げます。
私たちとしても初めての試みで、どれだけ視聴された方々にメッセージが伝わったのか不安ですが、少しでもお役に立つ事ができたのなら幸甚です。
今後も、機会がありましたら行政機関と連携し、少しでも世田谷区民の方々に有益な情報をご提供できれば、と考えております。