院長コラム
ビタミンD不足にご注意
ビタミンDとは腸管からのカルシウム吸収や骨の代謝に関与している必須栄養素です。そのため、ビタミンDが不足すると骨の病気(O脚・脊柱の彎曲、骨粗しょう症、骨折など)のリスクが高まります。
また、最近では気管支喘息・不妊症・うつ病など様々な疾患とビタミンDとの関連が知られています。
先日、ビタミンD に関するセミナーに参加してきましたので、今回はその一部を情報共有したいと思います。
ビタミンDの2つの供給源
ビタミンDの供給源は主に2つであり、一つは日光浴(紫外線)で、もう一つは食事です。
実は体内のビタミンDの80~90%は、紫外線を浴びることによって「皮膚」で合成されます。逆に言えば、、日光浴が不十分であると容易にビタミンD不足となってしまいます。
残りの10~20%は食品から摂取しています。特にきのこ類、納豆といった植物性食品と、魚や卵・牛乳といった動物性食品にビタミンDは多く含まれているため、乱れた食生活が続くとビタミンD不足となります。
ビタミンD補給の3つの方法
ビタミンD補給には、適度な日光浴、バランス取れた食生活、そして適切なサプリメントの3つが挙げられます。
- 適度な日光浴
東京にお住まいの成人の場合、手の甲と顔をUVカットせずに露出した状態で、夏は朝・夕15分ずつ、冬は昼60分程度を目安にするといいようです。
ちなみに、ビタミンD合成に必要な紫外線はガラス窓で遮断されてしまうため、必ず直接日を浴びる様にしましょう。 - バランスととれた食生活
きくらげ・椎茸・舞茸などのキノコ類や納豆、そして鮭・イワシ・さんまなどの魚介類や卵など、植物性・動物性の食品をバランスよく摂取することが大切です。
特に、思春期女性をはじめ若年女性の魚離れが進んでおり、積極的に魚介類を食事取り入れるよう、定期的に食生活を見直すことが大切です。 - ビタミンDサプリメント
日光浴や食品からのビタミンD摂取が困難な場合は、ビタミンDサプリメントの利用をお勧めします。
特に、完全母乳栄養の赤ちゃんの場合、母乳にはビタミンDの含有量が少ないため、ビタミンDが不足になりがちです。少なくとも離乳食が始まるまで(できればそれ以降も)、サプリメント(BabyD200:1~2滴/日)の投与をお勧めします。
思春期女性は、日頃から日光を浴びながら運動し、魚介類やキノコ類を積極的に摂取する生活を習慣化することが、その後の健康的な生涯をおくる上で必要です。
妊婦さんの場合は、お母さんご自身のビタミンD不足解消が胎児にとって大切であり、生まれた後は、赤ちゃんの日光浴とサプリメント投与を心掛けましょう。
更年期の方は、エストロゲン低下に伴い骨が脆くなりますので、運動・食事・日光浴といった生活習慣を見直すことをお勧めします。