院長コラム

エクオール・サプリメント「エクエル」に関するQ&A

更年期障害に対して、女性ホルモン(エストロゲン)様の作用を持つ「エクオール」が有効であるとのお話は、中高年女性の間に広まっているようです。
ただし、時にはエクオールについて誤解されている方からご質問を頂く事があります。
そこで今回は、エクオール・サプリメントである「エクエル」に関して、Q&A形式で情報共有したいと思います。

Q1 腸内でエクオールを作れない人は、エクエル飲んでも意味はない?
A1 むしろ自前でエクオールを作れない方こそ、エクエルの服用がお勧め
実は、大豆に含まれるイソフラボンという成分から、腸内細菌の働きによってエクオールが産生されます。
しかし、エクオール産生可能な腸内細菌を持っていない方の場合、いくら大豆製品やイソフラボンのサプリメントを摂っても、残念ながら自前でエクオールを作ることができません。
そのような方にこそ、エクオール・サプリメントである「エクエル」を直接服用して頂くことが有用です。

Q2 腸内でエクオールを作れる人は、むしろエクエルを服用しない方がいい?
A2 エクオールが体内に過剰に蓄積することはないので、エクエルの服用は問題なし
エクオール産生可能な腸内細菌を持つ方が、健康に有益な分量のエクオールを産生するためには、納豆1パックあるいは豆腐2/3丁を毎日召し上がって頂く必要があります。
しかも、産生されたエクオールは数日で体の外に排出されてしまうため、蓄える事ができません。
したがって、バランスのとれた食生活に加えて、エクエルを服用することが、無理なくエクオールを継続的に摂取するのに有用と考えます。
尚、用量を守ってエクエルを服用して頂ければ、エクオールが過剰に体に蓄積される事はありません。

Q3 乳がん既往の人は服用できないの?
A3 基本的には服用可能だが、念のため乳腺科主治医にご相談を
エクオールには、乳がんの予防効果がある事が知られています。
一方、乳がんに対するホルモン治療(タモキシフェンなど)によっては、更年期障害が強く現れる患者さんも少なくありません。
本来であれば、エストロゲン低下に伴う更年期障害の治療薬としてホルモン補充療法(HRT)が有用ですが、乳がん既往の方にはHRTは禁忌のため、行うことができません。
そこで、乳がん既往の方の更年期障害に対しては、エクエルの服用が勧められることがあります。
ただし、当院では念のため、おかかりになられている乳腺科主治医のご許可が得られてから、エクエルをお勧めするようにしています。

その他、エクエルには、手指の関節痛やこわばりを和らげる効果も期待できます。
また、HRTに抵抗感がある方でも、エクエルなら服用したいと思う方も少なくありません。

更年期障害や肌のシワ、手指のこわばりなど、気になる症状がある方は、3か月程エクエルを服用されてみてはいかがでしょうか?