院長コラム

働く女性は“運動不足”“栄養不足”“睡眠不足”

前回に引き続き、「Women’s Health Forum 2018シンポジウム」での情報と、私の考えについてお伝え致します。

 

日本は114位~世界の男女平等ランキング~

昨年、世界経済フォーラムは、各国のジェンダー不平等状況を分析した「世界ジェンダー・ギャップ報告書2017」を発表しました。その中で、政治・経済・教育・健康の4分野を指標とした「ジェンダー・ギャップ指数」が公表され、世界114か国中我が国は、総合第114位でした。

健康分野では第1位でしたが、政治・経済分野でかなり低かったようです。そのため、今後は国として、特に政治・経済分野での女性の進出に力を入れることが予想されます。

 

 

現代の日本の働く女性の問題点

しかし、現代の日本の働く女性の問題を解決しなければ、世界ランキングがアップしたところで、女性が活躍する社会には程遠いでしょう。

現代女性は健康を犠牲にして働いており、働く女性の健康面の問題点として“運動不足”“栄養不足”“睡眠不足”の3つが挙げられます。

 

 

特に深刻な“栄養不足”

ある調査によると、1日に2000キロカロリーの摂取が必要な女性の平均摂取エネルギーが1500キロカロリー程度しかなく、朝食を摂らない女性は36%にまで上っているとのことです。

その背景として、多忙であることが指摘されています。夜遅くまで仕事をしているため夕食の時間が遅くなり、朝は出勤ぎりぎりまで寝ていたいし、そもそも食欲がないため朝を欠食してしまいます。もちろん運動習慣を身につけようとするモチベーションもなくなっていきます。その結果、“運動不足”“栄養不足”“睡眠不足”の悪循環に陥ってしまいます。

中には、「やせていることはいい事だ」という誤った考えを持っている女性も少なくないでしょう。

 

 

早期から継続的で正しい健康教育を

女性のからだの悩みとして多い、肩こり、冷え、むくみ、疲れが取れない、肌荒れといった症状や、月経不順、無月経といった婦人科特有のトラブルも、“運動不足”“栄養不足”“睡眠不足”が関係していることも少なくないと思われます。

そのままほっとくと、妊娠したくてもできない、心身の病気になりやすい、将来長期間にわたり寝たきりになるなど、もっと大きなトラブルを抱えることにもなりかねません。

この講演では解決策として、学生時代からの健康教育が重要であり、社会人になっても定期的な健康チェックと健康手帳を利用したカウンセリングをお勧めしていました。
私も“教育”“健診”“予防”が必要であると考えています。

 

 

働く女性がもっと輝いて活躍するためには、行政や企業の取り組みはもちろん大事ですが、まずは個人ができることとして、「朝食の習慣化」が大切ではないかと思いました。
朝からエネルギーをチャージすれば、隙間時間でウォーキングやストレッチなどの運動も習慣化できるのではと思います。
その結果、睡眠も質が高くなり、適切な“運動”“栄養”“睡眠”の好循環につながるのではないでしょうか。